JR遠野駅から市立博物館までの約500メートルの通りは「民話の道」として親しまれています。この道沿いには、著名な作家や地元中学生たち、遠野に伝わる民話や童話を題材に制作した彫像と陶板リレーフが、全部で10箇所設置されています。これらの作品を鑑賞しながら、民話の道を散策し、個性豊かなポケットパークを巡ってみましょう!

 

① 河童

作品名:河童(それぞれの楽しみ)

作者:池田 宗弘

◆作品の題材となった物語

遠野物語 第58話「河童」

小烏瀬川の姥子淵のほとりに新屋の家がありました。ある日、馬曳きの子が馬を淵に連れていき水浴びさせていました。ところが、ふと目を離した隙に河童があらわれ、馬を淵の中に引きずり込もうとしました。しかし、逆に馬に引きずられてしまい、河童は屋敷まで連れてこられてしまいます。河童は慌てて馬の餌桶に隠れましたが、村人に見つかってしまいました。村人たちは、いつも悪さをしている河童をどう懲らしめようかと話し合いました。しかし、最終的には今後は村中の馬に悪さをしないと約束をさせる事で、河童を許して開放することにしました。河童もこれからはイタズラをしないことを誓い、村人たちは安心したのでした。

② ジャックと豆のつる

作品名:天空へのみち

作者:中野 滋

◆作品の題材となった物語

イギリス童話「ジャックと豆の木」

母と二人で貧しい生活を送る少年ジャックは、ある日手に入れた魔法の豆を庭に蒔きました。すると翌朝、豆は空高く伸びる巨大な木に変身していました。好奇心旺盛なジャックはその木を登り、雲の上にたどり着くと、そこには人食い大男の屋敷がありました。屋敷の中には様々な宝物がありました。ジャックは金の卵を産むめんどりを家に持ち帰り、お金に困らなくなりましたが、もっとなにかお宝が欲しいと思い、再び大男の屋敷を訪れ、美しい音色を奏でる不思議なハープを見つけます。しかし、ハープを持ち帰ろうとしたところを大男に見つかってしまい、追いかけられる羽目に。急いで豆の木を降り、斧で木を切り倒し、大男を退治しました。その後、ジャックは手に入れた宝物で大金持ちとなり、幸せに暮らしました。

 

③ 雪女

作品名:北風の舞

作者:峯田 義郎

◆作品の題材となった物語

遠野物語第103話「雪女」

遠野では、小正月や冬の満月の夜には雪女が出て、たくさんの童子を連れてくると言い伝えられています。里の子どもたちは、近くの丘へ行って遊びに夢中になり、夜になってしまうことがよくありました。そのため、大人は15日の小正月の夜には雪女が出るから早く帰るようにと注意するのですが、実際に雪女に遭遇したという話はあまり多くありません。

 

④ 桃太郎

作品名:We  are  waiting

作者:浅井 健作

◆作品の題材となった物語

日本の昔話「桃太郎」

昔々、おじいさんとおばあさんがいました。おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。持ち帰って割ってみると、中から元気な男の子が出てきました。二人は桃から生まれた男の子を桃太郎と名付け、大切に育てました。

成長した桃太郎は、鬼ヶ島に住む鬼たちが人々を困らせていることを知り、鬼退治を決意します。おばあさんに作ってもらったきび団子を持って鬼ヶ島へ向かう途中、イヌ、サル、キジに出会い、きび団子を分け与えて家来にしました。鬼ヶ島に到着した桃太郎と家来たちは、鬼たちに戦いを挑み、見事鬼を退治しました。鬼たちが集めていた宝物を取り返し、村へ持ち帰ると、村人たちは大喜びしました。
この銅像は、イヌ、サル、キジが桃を見つめ、「早く生まれてきて一緒に鬼退治をしよう」と、桃太郎の誕生を心待ちにしている様子を表現した作品です。

 

⑤ 天人児

作品名:天人児

作者:遠野市立綾織中学校

◆作品の題材となった物語

遠野物語拾遺 第3話

昔、六角牛山に住む天人児(てんにんこう)が、青笹の池に水浴びをしにやって来ました。そこで、釣りをしていた男に天人児の羽衣が盗まれてしまいます。羽衣を失った天人児は天に帰ることができなくなり、羽衣を探して里に下りてきました。
男を見つけたものの、男はすでに盗んだ羽衣を殿様に献上してしまっていました。殿様はたいそう珍しがり、天人児を屋敷に住まわせ、大切にもてなしました。しかし、夏になり、土用干しの時に、男が献上した羽衣も虫干しに出されているのを見つけました。隙を見て羽衣を身に着けた天人児は、六角牛山の方向へ飛び去って行きました。

 

⑥ おやゆびひめ

作品名:ひなたぼっこ

作者:田村 史郎

◆作品の題材となった物語

デンマーク アンデルセン童話「おやゆび姫」

チューリップの花から生まれた親指ほどの大きさのおやゆび姫は、平和な日々を送っていましたが、ある日ヒキガエルにさらわれてしまいます。なんとか逃げ出すことができましたが、今度はコガネムシに誘拐されたり、野ネズミの家で暮らすことになったり、裕福なモグラと結婚させられたりしそうに・・・。
ついにモグラとの結婚式の当日、おやゆび姫を助けてくれたのは、以前おやゆび姫が助けたツバメでした。ツバメは、おやゆび姫を背中に乗せて花の国へと連れて行きました。そこで、おやゆび姫は花の国の王子様と出会い、結婚して幸せに暮らしました。

 

⑦ 遠野三山

作品名:こだま’91

作者:山本 正道

◆作品の題材となった物語

遠野物語 2話

昔、母なる女神が3人の娘を連れて、来内村の伊豆大権現の社に泊まった夜のこと。女神は娘たちに、「今夜、良い夢を見た娘には、最も良い山を与えよう」と告げました。夜が更け、皆が眠りにつくと、天から美しい霊華が舞い降りてきて、長女の胸に降りたのを末の妹がひそかに奪い自分の胸に置きました。その結果、末の妹は最も美しい早池峰山を得ることができ、一番上の姉は六角牛山、二番目の姉は石神山をもらいました。こうして、若い3人の女神がそれぞれの山に住むことになったと言われています。
この伝説により、遠野の女性たちは、女神たちの嫉妬を恐れて、これらの山には立ち入らないという言い伝えがあります。

 

⑧ あかずきん

作品名:森の抱擁

作者:北郷 悟

◆作品の題材となった物語

ドイツ グリム童話「赤ずきん」

赤い頭巾をかぶった女の子、赤ずきんは、病気のおばあさんにお見舞いを届けるため、森の中にあるおばあさんの家へ向かいました。しかし、途中で狼に出会い、おばあさんの家の場所を聞かれて教えてしまいます。狼は先回りをしておばあさんを食べてしまい、その後、赤ずきんも食べてしまいました。そこへ、通りかかった猟師が銃で狼を撃ち殺し、お腹を切り開いて赤ずきんとおばあさんを助け出したのでした。

⑨ ふくろう

作品名:少年と梟たち

作者:手塚 登久夫

◆作品の題材となった物語

遠野物語初版序文

おさなさび飛ばず鳴かざるをちかたの森のふくろふ笑ふらんかも

⑩ 獅子踊り

作品名:獅子踊り

作者:照井 榮

 

 遠野まつりなどで迫力ある踊りを披露するしし踊り。その踊りには、五穀豊穣、先祖供養、狩猟で仕留めたシカの供養などの意味が込められています。市内には、令和7年現在16の保存会があり、それぞれの地域で伝統を守り続けています。