浄化槽(合併処理浄化槽)は、下水道と同程度の汚水処理性能を持っています。

浄化槽の機能を十分に発揮するためには、適切な維持管理を行い、正しく使用することが必要です。

誤った使い方をしたり、維持管理を適切に行わなかったりすると、放流水の水質の悪化や悪臭の発生など、逆に生活環境を悪化させる原因になってしまいますので、十分ご注意ください。

浄化槽の適切な保守点検と清掃の実施について.pdf [ 586 KB pdfファイル]

浄化槽の維持管理について

浄化槽法では、浄化槽管理者(個人住宅の場合は、住宅の所有者)には、次の3つが義務付けられています。

  1. 保守点検
  2. 清掃
  3. 水質検査(法定検査)

なお、保守点検と清掃の記録は、法定検査の際に必要となるため、3年間保管しなければなりません。

1 保守点検について

浄化槽の機能を維持するために、4カ月に1回以上、機器類の点検、調整や消毒薬の補充などを行う必要があります。

(岩手県知事の登録を受けた専門の事業者に委託することができます。)

2 清掃について

年に1回以上、バキューム車で、浄化槽内に溜まった固形物や汚泥の引き抜きを行う必要があります。

(浄化槽清掃業の許可を受けた事業者に委託することができます。)

3 水質検査(法定検査)について

浄化槽の維持管理が適切に行われ、機能がきちんと確保されているかを確認するための検査を受ける必要があります。

浄化槽の使用開始から3~8カ月後、最初に行う「第7条検査」と、毎年1回定期的に行う「第11条検査」があり、岩手県知事が指定する「指定検査機関」が検査を行います。

正しい使い方を心がけましょう

浄化槽は、内部の微生物のはたらきにより、トイレのし尿と生活雑排水(台所、洗濯、風呂など)をあわせて処理しています。

日常生活の中で正しい使い方を心がけ、悪臭や詰まりの原因を防ぐとともに、浄化槽内部の微生物に悪影響を与えないよう、十分注意しましょう。 

1 台所で

  • 排水口に、油(残油、廃油)や野菜くず、残飯を流さない。
  • 油(残湯、廃油)や食事の油汚れは、キッチンペーパーや新聞紙、油を固める製品などに吸わせて、可燃ごみに出してください。
  • 食べ残しは、三角コーナーやごみ受けネットで分別して、可燃ごみに出してください。 

2 洗濯で

  • 洗剤や漂白剤は、適量をはかって使う。
  • 洗濯の排水とお風呂の排水を同時に行うことは、できるだけ避ける。

3 トイレで

  • トイレットペーパー以外のものを流さない。
    ※「トイレに流せる」と表示されているティッシュペーパーやトイレの掃除シートは、トイレットペーパーより水に溶けにくいため、大量に流すと詰まりの原因となります。
  • 紙おむつ、生理用品、ティッシュペーパー、ウエットティッシュ、ペーパータオル、ガム、たばこの吸い殻、ペットのふん尿などを絶対流さない。
  • 掃除の際は、塩酸系やクレゾール系の薬剤を使用しない。
  • 農薬や殺虫剤、防腐剤を流さない。

4 お風呂で

  • 排水口に、髪の毛やごみを流さない。
  • カビ取り剤は適正量を使用し、多めの水で洗い流す。
  • 入浴剤を多量に入れない。(硫黄化合物が含まれているものは避けてください。)

5 屋外で

  • 浄化槽の電源は絶対に切らない。
  • 通気口や、ブロワ(送風機)の空気取り入れ口をふさがない。
  • マンホールやブロワの上には物を置かない。